古本と古書の違いとは?専門書店が教える定義と査定のポイント

その「古本と古書の違い」、迷って当然です

遺品整理や研究室の蔵書整理、退官・引っ越しなどで本がまとまって出てくると、こんな悩みがよくあります。

  • 「これって“古本”なの?“古書”なの?言い方で価値が変わる?」

  • 「古い=高い、ではないって聞くけど、どこで判断するの?」

  • 「専門書が多いけど、状態が悪くても見てもらえる?」

当店のような専門書店では、日々多数の本を査定しながら「言葉の違いで不安になる方」がとても多いと感じています。

この記事でわかること

  • 古本と古書の違い(定義の考え方)

  • 査定で見られるポイントと、価値が付きやすい特徴

  • 捨てる前に確認したいチェックリストとトラブル回避策


古本と古書の違いとは?結論:使い分けは「市場」と「価値の文脈」

まず結論から言うと、古本=中古本の総称古書=古本の中でも“古いこと”や“希少性・資料性”が価値に直結しやすい領域、という理解が実用的です。

ただし、法律で厳密に線引きされているわけではなく、本の業界でも場面によって呼び方にゆれがあります。たとえば同じ本でも、一般書店の中古棚では「古本」、資料として探される場では「古書」と呼ばれやすい、といった具合です。

  • 古本:読み終えた本・買い替えで出る本など、中古として流通する本全般

  • 古書:古い版、限定性、資料価値、希少性、研究需要などが絡む本(や紙もの)

つまり、違いは「年数」だけでなく、誰が、何の目的で探す本なのか(市場)にあるように感じます。


専門書店の査定はここを見る:定義より大事な“査定の軸”

査定は「古書かどうか」のラベルよりも、次の軸で判断します。難しい言葉は噛み砕いていきます。

  • 版(はん):初版/改訂版など。研究分野は改訂で価値が動くこともあります。

  • 重版(じゅうはん):増刷のこと(厳密にいえば版と異なりますが、同一の事柄を指すことが多いです)。初版と重版で評価が変わる場合があります。

  • 函(はこ):本を入れる箱。函付きだと評価が上がりやすい一方、欠品だと下がることも。

  • 揃い(そろい):全集・叢書(シリーズ本)が全巻揃っている状態。欠巻があると評価が変わります。

  • 叢書(そうしょ):シリーズ(例:○○叢書、○○講座)。専門分野では叢書の需要が根強いです。

「古いから高いは半分正解で、半分は誤解」という場面が多いです。古さが価値になるのは、探している人がいて、入手しづらい時。逆に、古くても流通量が多いものは相場が落ち着きます。


価値が付きやすい特徴/付きにくい特徴

以下はあくまで“傾向”ですが、判断材料として役立ちます。

価値が付きやすい特徴(例)

  • 専門出版社・大学出版会など、研究需要が見込める版元

  • 分野が限定的(ニッチな学術領域、専門職向け)

  • 絶版・品切れで新刊入手が難しい(※時期で変動します)

  • 改訂前の版が必要(法改正前、制度変更前の資料など)

  • 函付き・帯付き・付録付きで欠品が少ない

  • 全集・叢書が揃い(全巻セット)

  • 図版・写真資料が多い(資料集、図録系。美術館カタログは除く)

  • 書誌情報が明確(発行年・版・巻が分かる)

  • 専門家が参照する定番書(分野の基礎文献)

  • ISBNがなくても資料性が高い(古い資料など)

価値が付きにくい特徴(例)

  • 流通量が多いベストセラー

  • 同じタイトルが大量に出回っている(在庫過多の状態)

  • 欠巻・欠品が多い(揃い物の抜け)

  • 水濡れ・強い歪みなど、読用に支障が出るダメージ

  • 書き込みが広範囲(ただし軽微なら可の場合もあります)

  • カバー・函の欠品

  • 改訂で内容が古くなりすぎた実務書(分野により例外あり)

※当店では、書き込み・線引き・ヤケ・シミがあっても拝見できるケースは多いです(減額になる場合はあります)。


捨てる前に確認してほしいチェックリスト

「これ、どうしよう…」となったら、処分の前に次だけ見てください。迷いが減ります。

  • 奥付(本の最後)で発行年・版・出版社を確認

  • 全集・叢書は“揃い”か、欠巻がないか

  • 函・帯・付録が残っているか

  • 書き込みの範囲(数ページ程度か、全体か)

  • 水濡れ・カビ臭など保管ダメージの有無

  • 同じ分野の本がまとまっているか(研究室蔵書などは強みになりやすい)

  • ISBNの有無より、まずは内容と版元を見る(ISBNなしでも価値が付くことがあります)


トラブル回避のポイント

大量整理ほど、事前に少しだけ段取りをすると揉め事が減ります。

  1. 「どこまでが対象か」を先に揃える
    本棚まるごとだと思っていたら、あとから「この棚は残す予定だった」「雑誌は対象外だった」など、範囲のズレが起きがちです。
    買取対象にする場所(部屋・棚)だけ先に決めておくと、見積もりや作業がスムーズになります。

  2. 状態説明は“正直にざっくり”でOK
    「書き込み多め」「ヤケあり」など、分かる範囲で共有すると見積もりのズレが減ります。

  3. 運び出し・梱包は無理をしない
    量が多いと腰を痛めやすいです。重い箱を作りすぎず、小分けが安全です。迷ったら手間の少ない方法を選ぶのが結果的に早いです。
    (当店では、LINEで写真を送るだけの簡易査定も行っています)


最後に:迷ったら「判断だけ先に」でも大丈夫です

古本と古書の違いは、言葉の問題というより“どういう市場で必要とされるか”の問題です。だからこそ、自己判断で手放す前に、まずは一度「これはどのタイプか」を確認すると失敗が減ります。

  • 迷ったら、写真で簡易査定からでも構いません。

  • 査定は無料で、納得できなければキャンセル・返送OKです。
    小さく正直に補足すると、送料は当店負担ですが、ご返送時の送料は着払いとなります。

問い合わせフォーム: https://books-matsuda.com/form/
LINE: https://line.me/R/ti/p/%40mpk1092k


3) Q&A

Q1. 古本と古書、どっちで呼べばいい?査定額は変わりますか?
A. 呼び方そのもので査定額が決まることは多くありません。実際は「版・揃い・出版社・需要(探す人がいるか)」で評価が決まります。古い=高いとは限らず、逆に新しめでも専門分野で需要が強いと評価されることもあります。迷ったら分類より“中身と状態”の把握が近道です。

Q2. 研究室の蔵書整理で大量にあります。仕分けしてから相談すべき?
A. 可能なら「分野ごとにまとまっている」状態が分かるだけでも十分です。無理に完璧な仕分けをすると時間も体力も消耗しがちです。まずは背表紙が見える写真を数枚撮り、量感と分野が伝わる形で相談するとスムーズです。作業負担を減らす段取りから考えるのが現実的です。

Q3. ISBNなし/バーコードなしの本でも見てもらえますか?
A. はい、見られるケースは多いです。特に古い学術書、大学出版会の旧版、学会誌・研究報告などはISBNがないことも珍しくありません。査定ではISBNよりも「出版社、発行年、版、揃い、内容の専門性」を重視します。奥付の写真があると判断しやすいので、可能なら撮って添えると安心です。


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