読んだ本「書籍!! 今月のお笑い ウエストランド井口と作家飯塚のお笑い界ひねくれ大解説」
「お笑いナタリー」で連載中の『今月のお笑い』(https://natalie.mu/owarai/serial/147)という対談連載を、毎月心待ちにしています。
ウエストランド井口さんと放送作家の飯塚大悟さんが、一ヶ月のあいだに起きたお笑い界の出来事を振り返る内容で、これがとにかく面白い。
この連載は、ウエストランドがM-1優勝する以前からスタートしていて、貴重なドキュメントのようなものにもなっています。
私は連載を読むだけでは物足りず、イベントの配信版も購入して視聴しているほど好きなのですが、このたびついに単行本化された書籍版も購入しました。
ゲスト回が(予算などの都合で)収録されていなかったのがちょっと残念です。
しかし、その代わりに書籍限定特典としで爆笑問題・太田光さんとの鼎談が収録されていて、これが最高でした。
お笑い界の現在について語るだけでなく、太田さん自身が見てきた歴史的な縦の視点も入ってくる、非常に奥行きのある内容になっています。
最近、太田さんがよく語っている「テレビにおける指標のずれ」や、「『シャボン玉ホリデー』のようなコントあり歌ありトークありの作り込んだ番組があったほうがいいのでは」という話などが、本書鼎談では語られていました。
この”テレビで歌ありコントありの番組をしたい”という話は、最近では中山秀征さんも中田敦彦さんとの対談(https://youtu.be/kTSGhavKORY?si=6Ure0I64m4sDc4FH)で口にしていて(中山秀征さんは『今夜は最高!』も挙げていました)、世代的に共有されている思いなのかもしれません。
個人的には、シャボン玉ホリデー的な流れの継承者は、初期の『とんねるずのみなさんのおかげです』だったのでは、と考えています。実際に太田さんと石橋貴明さんのABEMAの対談番組(https://abema.tv/channels/abema-special/slots/9J64q2ignWptrs)の中でも、エンディングでしんみりした歌を歌う演出などは明らかにそれを意識していたという話題が出ていました。なにせ、エンディングを歌う「ザ・ピーナッツ」も「とんねるず」も、有名プロデューサー・井原高忠氏が名付け親です。
私自身は80年代生まれで、『シャボン玉~』はDVDで見た世代ですが、「今、ああいった番組をやるならどうなるんだろう?」と考えると、ちょっと想像がつきません。
太田さんの話を受けての井口さん飯塚さんの現状の話も興味深かったです。
とくに、おふたり(井口さん・飯塚さん)の若手に対しての感覚は、同年代のせいかとても共感しました。
ともあれ、『今月のお笑い』は今後も注目していきたい連載です。今度はぜひ、爆笑問題の田中さんをゲストに呼んでほしいです。
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