【完全保存版】相撲用語集 2025年3月
基本・一般用語
相撲(すもう)
日本古来の格闘技のひとつ。力士が土俵上でぶつかり合い、相手を土俵外へ押し出すか、倒すことで勝敗を決する。
土俵(どひょう)
相撲を行う円形の競技場。直径約4.55mで、俵と呼ばれる藁束で囲まれている。
力士(りきし)
相撲を取る競技者の総称。番付上では「関取(せきとり)」と「幕下以下(まくしたいか)」に大別される。
番付(ばんづけ)
力士の地位・序列を記した一覧表。横綱から序二段まで、全力士の名前と所属部屋が記載される。
関取(せきとり)
幕内と十両に属する力士の総称。給金が支給され、髪型や装束、待遇などに差がある。
懸賞金(けんしょうきん)
取り組みごとにスポンサー(懸賞主)が出す賞金。懸賞がかかる取り組みでは、勝者に一定額が贈られる。
大銀杏(おおいちょう)
関取が結う独特の髷(まげ)の形状。いちょうの葉に似た形から命名された。
まわし
力士が腰に巻く帯状の布。試合用(本場所)のものはサテン地が多く、稽古用は荒い織りの綿製が主流。
仕切り(しきり)
力士同士が土俵上で位置につき、立ち合い前に互いを睨み合う所作。塩を撒いたり手を合わせたりして気合いを高める。
立ち合い(たちあい)
取り組みが始まる瞬間。両力士が同時に突進する。
はっけよい
行司が取り組み中に発する掛け声。元々は「張り手よい」という説もある。
残った(のこった)
取り組み中、力士がまだ土俵に踏みとどまっている状態を示す行司の掛け声。
行司(ぎょうじ)
土俵上で取り組みを裁く審判。軍配を持ち、「軍配が上がる(勝敗を指示する)」という形で判定を行う。
審判(しんぱん)/勝負審判
土俵下で取り組みを見守り、行司の判定が微妙な際に協議を行う親方衆。
物言い(ものいい)
取り組みの勝敗が微妙な際に審判が協議すること。映像確認なども行われ、最終的な判定を下す。
付け人(つけにん)
関取の世話をする下位力士や新弟子。雑用や身の回りの世話などを担当。
部屋(へや)
力士が所属する相撲の稽古・生活の拠点。師匠(親方)が率い、各部屋で力士が共同生活を送る。
師匠(ししょう)/親方(おやかた)
相撲部屋を預かる指導者。元関取で年寄名跡を取得し、後進の育成にあたる。
一門(いちもん)
複数の相撲部屋がグループを形成したもの。兄弟分的な連合で、互いに交流や合同稽古を行う。
稽古(けいこ)
力士が普段行う練習の総称。四股、すり足、申し合いなど様々なメニューがある。
四股(しこ)
足を高く上げて力強く踏み下ろす動作。下半身強化と土俵を清める儀式的意味合いもある。
すり足
足の裏を土俵につけたまま前後に移動する基本動作。重心移動やバランスの訓練にもなる。
申し合い
力士同士が順番に申し出て、実戦形式でぶつかり合う稽古方法。勝ち残り方式が一般的。
出稽古(でげいこ)
他の部屋へ出向いて稽古を行うこと。互いに刺激し合い、技術向上を図る。
場所(ばしょ)
公式戦である本場所が開催される期間・大会そのものを指す。年6回(1・3・5・7・9・11月)行われる。
千秋楽(せんしゅうらく)
本場所の最終日。優勝争いや各種表彰が決まる重要な日。
番付発表(ばんづけはっぴょう)
本場所の数週間前に、力士の新しい番付が公表される。相撲ファンの注目を集める。
花道(はなみち)
力士が土俵へ出入りする通路。観客が間近で力士を見送るエリアでもある。
力水(ちからみず)
取り組み前に口をすすいで清めるための水。力士の交代ごとに差し出される。
塩まき(しおまき)
仕切りの合間に土俵に塩を撒き、場を清める所作。怪我防止や滑り止めの効果もある。
弓取式(ゆみとりしき)
千秋楽などで、幕下以下の力士が弓を使って行う所作。土俵の無事を祝う儀式。
太刀持ち(たちもち)・露払い(つゆはらい)
横綱の土俵入りに付き添う役。太刀持ちは横綱の刀を持ち、露払いは横綱の前を先導する。
張り手(はりて)
立ち合いや取り組み中に相手の顔や胸を掌で叩く攻撃。危険技との見方もあり、乱用は批判されることも。
かち上げ
立ち合いで肘を曲げずに相手の顎や胸に当てる攻撃。頭部への衝撃が大きく、議論の対象になりやすい。
猫だまし(ねこだまし)
立ち合い直後、相手の顔の前で手を叩き、ひるんだところを攻める奇襲技。非常に珍しい。
かいなひねり
腕をひねりながら相手を崩す技。正式な決まり手名のひとつ。
うっちゃり
自分が土俵際まで追い詰められながら、体を反転させて相手を投げ捨てる逆転技。
寄り切り(よりきり)
相手を抱え込むように前へ出て、土俵外に押し出す決まり手。最もオーソドックスな技。
押し出し(おしだし)
相手の胸や肩を押して土俵外に出す決まり手。寄り切りと並んで勝ち数が多い。
突き出し(つきだし)
突っ張りなどで相手を前方に押し出し、土俵外に出す決まり手。押し出しとの違いは、相手の体を抱え込まないこと。
突き落とし(つきおとし)
相手の胸や肩を突いてバランスを崩し、そのまま倒す技。
引き落とし(ひきおとし)
相手が前傾になった瞬間に自分が引いて、相手を前方に倒す技。軽量力士がよく用いる。
はたき込み
相手の後頭部や肩を叩き落とし、バランスを崩して倒す技。やや消極的とされることも。
小手投げ(こてなげ)
相手の腕を小手(前腕部)で抱え、横へ投げる技。
上手投げ(うわてなげ)
相手のまわしを上手(自分の体の外側)からつかみ、捻転させるように投げる技。
下手投げ(したてなげ)
相手のまわしを下手(自分の体の内側)で引きながら投げる技。
内無双(うちむそう)
相手の足の内側から自分の足を掛け、相手を捻るように倒す足技。
外無双(そとむそう)
相手の足の外側から自分の足を掛け、相手を捻って倒す足技。
櫓投げ(やぐらなげ)
両者が上手を取り合い、力比べの末に大きく回し投げをする豪快な技。
裾払い(すそばらい)
相手の足首付近を払って倒す足技。相手が体勢を崩した時に有効。
渡し込み(わたしこみ)
相手の脇下に腕を通し、正面から押し込むように崩して土俵外へ出す技。
※上記は代表的な決まり手をピックアップしており、実際には**82手(+非技扱いを含めると90手以上)**が公式に存在します。
番付・地位関連
横綱(よこづな)
番付最上位の地位。大関以上の格を示し、格別の品格・力量・実績が求められる。
大関(おおぜき)
横綱に次ぐ高位。安定した好成績を収めることで昇進し、負けが続けば陥落する可能性も。
関脇(せきわけ)
大関の次に位置する三役の一つ。成績次第では大関への昇進も狙える要職。
小結(こむすび)
関脇の下に位置する三役の一つ。ここで好成績を残すと関脇・大関への足がかりとなる。
前頭(まえがしら)
幕内の三役より下の力士。幕内に属していれば「平幕(ひらまく)」とも呼ばれる。
十両(じゅうりょう)
関取の最下位ランク。ここに昇進すると給金がもらえ、様々な待遇面で大きく変わる。
幕下(まくした)
十両より下の力士が所属するランク帯。幕下、三段目、序二段、序ノ口に細分化される。
幕下付出(まくしたつけだし)
アマチュア相撲などで実績がある選手がプロ入りするとき、成績に応じて幕下からスタートできる制度。
三役(さんやく)
横綱・大関を除く上位番付の関脇・小結の総称。
番付外(ばんづけがい)
入門したばかりの新弟子など、まだ番付に名前が載らない最下層の位置。
降格(こうかく)
成績不振などによって番付が下がること。大関から関脇へ降格することを「大関陥落」とも呼ぶ。
部屋・協会関連
相撲協会(にほんすもうきょうかい)
大相撲を統括・運営する法人組織。師匠(親方)が協会に所属し、各部屋を管理している。
〇〇部屋
各力士が所属する部屋の通称。例えば「伊勢ヶ濱部屋」「貴景勝(常盤山)」「宮城野部屋」など。
付き人制度(つけにんせいど)
上位力士に付け人(下位力士)がつき、日常の雑務やサポートを行う。相撲界の伝統的な育成システム。
年寄名跡(としよりみょうせき)
親方(師匠)になるための名義。現役引退後、年寄名跡を取得すると相撲協会に残り指導者になれる。
巡業(じゅんぎょう)
本場所以外の地域興行。地方を回り、ファンサービスや普及活動も兼ねて行われる。
地方場所(ちほうばしょ)
本場所は東京(両国国技館)だけでなく、大阪、名古屋、福岡など地方でも開催される。その総称。
行事・儀式関連
土俵入り(どひょういり)
横綱や各力士が土俵に上がり、所作を披露する儀式。幕内力士は東西で分かれて行う。
横綱土俵入り(よこづなどひょういり)
横綱特有の土俵入りの形式。雲竜型(うんりゅうがた)と不知火型(しらぬいがた)の二種類がある。
塵手水(ちりちょうず)
土俵入りや取り組み前に力士が行う身を清める動作。口をすすいだり塩を撒いたりする儀式。
優勝パレード
千秋楽後、優勝力士が車や人力車に乗って街を練り歩く儀式。近年は行われない場合もある。
表彰式(ひょうしょうしき)
本場所で優勝した力士への授与式。天皇賜杯や各種賞が手渡される。
懸賞幕(けんしょうまく)
懸賞金を出したスポンサーの社名・商品名が描かれた幕。取り組み前に土俵上を回り、宣伝が行われる。
稽古・取り口関連
申し合い(もうしあい)
複数人で実戦形式の連続稽古を行う方式。勝った力士が続けて相手を受ける「勝ち残り」が一般的。
ぶつかり稽古
親方や先輩力士がぶつかって受け止める相撲の基礎稽古。体力強化と根性を鍛える。
ムリ押し
強引に押し込む相撲のスタイル。体格差がある場合には有効だが、バランスを崩すと逆転負けも多い。
突っ張り(つっぱり)
相手の胸や喉に腕を伸ばして押し込む攻撃。前傾姿勢になった相手には特に有効。
張り差し(はりさし)
立ち合いで張り手と同時に差し手を狙う技術。上手く決まれば一気に有利になるが、リスクも大きい。
呼び戻し
下手投げや小手投げのフェイントなどで、相手を引き戻して崩す狙いの動き。
幕裏・食事・風習関連
ちゃんこ鍋(ちゃんこなべ)
相撲部屋で食される鍋料理の総称。力士の主食と言っても過言ではない。
力士食(りきししょく)
ちゃんこ鍋に代表される栄養価の高い食事。体重増加と健康管理が同時に求められる。
相撲甚句(すもうじんく)
力士たちが合間に披露する歌唱。巡業などで披露される伝統芸能でもある。
鉄砲柱(てっぽうばしら)
稽古場に設置された柱。力士が突きの練習をするために使う。
ほうき星(ほうきぼし)
優勝候補の力士が途中で大きく負け越す様子や、勝ち続けていた力士が急に負け出す様子を揶揄する表現。
かわいがり
指導やしごきが激しすぎる稽古を指す俗称。問題視されるケースもあり、近年は改善に向けた取り組みが行われている。
巡業宿舎(じゅんぎょうしゅくしゃ)
巡業先で相撲部屋が拠点として利用する宿。地方でのファン交流や稽古公開なども行う。
断髪式(だんぱつしき)
引退力士が髷を切り落とすセレモニー。家族や親方、関係者が少しずつハサミを入れ、最後に師匠が止め鋏を入れる。
その他マイナー・専門用語
星取表(ほしとりひょう)
各力士の勝敗を記録した表。黒星(負け)・白星(勝ち)で管理される。
三賞(さんしょう)
幕内力士に与えられる特別表彰。殊勲賞、敢闘賞、技能賞の3つがある。
幕下以下付け出し資格
アマチュア相撲で優秀な成績を残した選手が、所定の地位(幕下や三段目)からプロ入りできる制度。
竹刀稽古(しないけいこ)
指導者が竹刀で軽く叩きながら正しい姿勢や動きを促す稽古。過度に行うと暴力指導と捉えられる場合も。
勝ち越し(かちこし)
15日制の本場所で8勝以上を挙げること。番付昇進の目安となる。
負け越し(まけこし)
15日制の本場所で8敗以上を喫すること。番付降格の可能性が高まる。
繰り上げ昇進(くりあげしょうしん)
他力士の引退や休場などの理由で、本来よりも早く上の地位に昇格すること。
再出世(さいしゅっせ)
幕内から十両へ陥落した力士が再度幕内に戻ること。俗に「カムバック」とも。
顔触れ(かおぶれ)
取組編成の際、同じ番付・同じ地位の力士同士を対戦させる組み合わせのこと。
付け出し(つけだし)
前述の「幕下付け出し」とは別に、力士を一挙に番付に載せる制度を指す場合もある。
寄り倒し(よりたおし)
寄り切りが成立せずに、相手を押し込んだまま倒れ込んでしまう決まり手。
力比べ(ちからくらべ)
取組が長引き、互いにがっぷり四つで膠着状態になること。観客を熱狂させる展開のひとつ。
八百長(やおちょう)
不正行為や星のやり取りなど、公正な試合を損なう行為。発覚すると厳重処分が下る。
呼び出し(よびだし)
土俵上で力士の名を呼んで入場を促す担当者。土俵の準備、太鼓などの役割も担う。
太鼓(たいこ)
呼び出しが打つ太鼓。支度部屋や客席に対して、取り組み開始や休憩終了を知らせる。
軍配(ぐんばい)
行司が持つ扇形の道具。勝敗を示す際に使われる。
白房下(しろぼうした)・赤房下(あかぼうした)
土俵の東西南北にある房の下を基準に、審判や控え力士が位置する場所。
二所ノ関一門(にしょのせきいちもん)・出羽海一門(でわのうみいちもん)
主要な一門の名前。相撲界は大きくいくつかの一門に分かれている。
蛇の目(じゃのめ)
土俵の真ん中にある円形の模様や位置取りをさす。中心部分。
差し手争い(さしてあらそい)
相手の懐に腕を入れる(差す)かどうかの攻防。相撲の攻守の要となる。
そんきょ
土俵上などで行う膝を曲げて腰を落とした姿勢。礼儀作法や準備姿勢として重要。
大相撲トーナメント
本場所とは別に行われる公開トーナメント戦。優勝賞金やイベント要素が強い。
股割り(またわり)
柔軟性を高めるための稽古。股関節を開いて柔軟性を上げる。
重量力士(じゅうりょうりきし)
体重が特に重い力士に対する俗称。必ずしも十両力士のことではない。
軽量力士(けいりょうりきし)
幕内でも体重100kg台など、比較的軽い部類に入る力士を指す。
顔(かお)が利く
相撲界で長く活躍して人望や影響力がある人を指す表現。
序御(しょぎょ)
「序ノ口」と「序二段」を併せて序御と呼ぶことがあるが、あまり一般的ではないマイナー用語。
つきひざ
膝から落ちる負け方。立ち合いで体勢を崩された際に多い。
こったがり
とっさに腕を極められる形で、かなり痛みがある体勢。捻り技の一種。
閂(かんぬき)
相手の片腕を極めて動けなくする特殊な形。腕を相手の脇や肘に差し込み、ロックする。